はじめに
最近、プログラミングを学びたいと考える人がふえています。なかでも「ITエンジニアになりたい」と思う方がとても多く、手に職をつけて自由な働き方をしたいという声をよく耳にします。
ですが、「スクールに通わないと無理なのでは?」と不安に感じている人も少なくありません。
結論から言うと、独学でもじゅうぶんに可能です。もちろん、簡単ではありません。しかし、やり方を間違えなければ、未経験からでも立派なエンジニアになることができます。
この記事では、プログラミングを独学で学ぶ方法とその良さを、初心者でも理解しやすいようにていねいに解説していきます。
なぜ今、プログラミングを学ぶ人が増えているのか
まず最初に、「どうしてプログラミングを学ぶ人がこんなにも増えているのか」を考えてみましょう。
● 将来の働き方が変わってきている
リモートワークや副業がふえている今、自分の力で仕事を見つける時代になりました。その中でも、パソコンひとつで働けるエンジニアはとても人気です。
プログラミングができるようになると、会社にたよらずに仕事を受けられるようになります。フリーランスとして独立したり、在宅で働いたりすることもできます。
● IT業界の人手不足
日本では、IT人材が不足しているといわれています。経済産業省の発表によると、これから先、さらに人手が足りなくなる見こみです。未経験でもやる気があれば採用したい、という企業も増えているのです。
独学にはどんな良さがあるのか
「スクールに通わないとムリ」と思いこんでいませんか? でも実は、独学だからこそ得られるメリットもたくさんあります。
1.費用がかからない
スクールに通うと、何十万円もの費用がかかることがあります。でも、独学なら無料や安価な教材を使って学ぶことができます。ネット上には、たくさんの動画や解説サイト、本があります。これらを上手に活用することで、コストをおさえてスキルを身につけることができます。
2.自分のペースで学べる
人によって、理解のスピードはちがいます。スクールでは他の人と同じペースで進めなければなりませんが、独学なら「わからないところはじっくり」「得意なところはどんどん」と、自由に調整できます。
朝でも夜でも、空いた時間を使ってコツコツ進められるのが、独学の良さです。
3.学ぶ力が身につく
自分で調べて、考えて、解決する。この積みかさねが、実はとても大切です。IT業界では「わからないことを自分で解決できる力」がとても重視されます。独学でその力を身につけておけば、現場に出たあとも役立ちます。
独学で学ぶためのステップ
ここからは、プログラミングを独学で学ぶための「5つのステップ」を紹介していきます。
ステップ1:学ぶ目的をはっきりさせる
まず、「なぜプログラミングを学びたいのか」をはっきりさせましょう。たとえば、
- 転職したい
- 副業を始めたい
- アプリを作りたい
目的によって、学ぶべき内容が変わってきます。ゴールが見えていれば、途中でまよわずにすみます。
ステップ2:言語をえらぶ
プログラミングには、いくつかの「ことば(言語)」があります。初心者には、以下の言語がおすすめです。
- HTML/CSS:ホームページの見た目を作る
- JavaScript:動きのあるWebページを作る
- Python:文法がやさしく、人気も高い
「何を作りたいか」によって、どの言語を学ぶべきかが決まります。迷ったときは、まずHTML/CSSからはじめて、少しずつ広げていくとよいです。
ステップ3:学習のスケジュールを立てる
計画を立てずにスタートすると、すぐにやる気がなくなってしまいます。まずは1日30分からでもかまいません。毎日つづけられるスケジュールを作ってみましょう。
たとえば、
- 平日は1時間だけ学習
- 週末はまとめて3時間
というふうに、生活にあわせて調整してみましょう。
ステップ4:アウトプットを意識する
ただ教材を読むだけでは、身につきません。学んだことを「自分の手で作る」ことで、理解がふかまります。たとえば、
- ミニホームページを作ってみる
- 電卓アプリをまねして作る
最初は小さなことからで大丈夫です。自分で作ることで「分かったつもり」が「ほんとうに分かった」に変わります。
ステップ5:分からないときの対処法を知る
独学では、かならず「分からないこと」にぶつかります。そんなときに使えるのが、以下の方法です。
- Googleで調べる
- Q&Aサイト(teratailやStack Overflowなど)を活用する
- 解説動画を見る
- X(旧Twitter)などで経験者に聞いてみる
「調べる力」も、プログラミングには大事なスキルです。
独学で失敗しないためのコツ
独学には自由さがありますが、その分むずかしさもあります。そこで、失敗しないためのポイントをいくつかご紹介します。
● 完ぺきを目指さない
はじめからすべて理解しようとすると、かならずつまずきます。7割わかればOK!ぐらいの気持ちで、どんどん前に進めていきましょう。
● 小さな成功体験をつくる
「できた!」という気持ちは、大きな自信になります。たとえば、
- 自分でWebページを作れた
- はじめてアプリが動いた
こうした経験が、次のステップへのやる気になります。
● 学んだことを人に話す
人に説明することで、じぶんの理解もふかまります。ブログにまとめたり、SNSでつぶやいたりすると、共感してくれる仲間もふえます。
実際に独学でエンジニアになった人の体験談
独学でプログラミングを学び、エンジニアとして働いている人はたくさんいます。ここでは、ある未経験者の体験談をご紹介します。
その方は、以前は販売の仕事をしていました。毎日店頭に立ちながら、「このままでいいのか?」と考えていたそうです。そんなとき、「手に職をつけたい」と思い、プログラミングに興味を持ちました。
スクールに通う費用がなかったため、独学で学ぶことに決めました。最初の数か月は、HTMLやCSS、JavaScriptを無料の学習サイトで学びました。毎日2時間、仕事終わりにコツコツと勉強を続けたそうです。
分からないところは、ネットで調べたり、Q&Aサイトに投稿して答えを探しました。半年後には、簡単なWebページを自分で作れるようになり、ポートフォリオとしてまとめて就職活動をはじめました。
結果として、IT企業から内定をもらい、今ではWebエンジニアとして活やくしています。
このように、独学でも「続ける力」と「工夫」があれば、夢をかなえることはできます。
独学でも面接に通る!ポートフォリオの作り方
企業に応募する際、実力をアピールするために「ポートフォリオ」が必要になります。これは、自分で作った作品やプロジェクトのまとめです。独学でも、工夫次第で立派なポートフォリオを作ることができます。
ポートフォリオに入れると良いもの
- 自己紹介ページ(スキルや趣味などを紹介)
- Webサイトのデザイン(レスポンシブ対応ならさらに良い)
- 簡単なアプリ(ToDoリスト、天気予報など)
- コードの説明(どんな工夫をしたかも書く)
できるだけ見やすく、使いやすいデザインにしましょう。コードだけでなく、使う人の立場にたった説明をそえると、より印象が良くなります。
また、GitHubなどの公開サービスに作品をのせておくと、面接でも話がスムーズに進みます。
学習を続けるためのモチベーション管理術
独学のいちばんの課題は「やる気の維持」です。途中であきらめてしまわないために、以下のような工夫を取り入れてみてください。
● 目標を小さく分ける
「3か月でエンジニアになる!」という大きな目標だけでは、途中でくじけてしまいます。たとえば、
- 今週はHTMLをおぼえる
- 来週はフォームを作ってみる
- 1か月後にポートフォリオを1つ完成させる
というように、細かく分けて、ひとつずつ達成していきましょう。
● 学習記録をつける
ノートやSNS、ブログに「今日やったこと」「気づいたこと」「うまくいかなかったこと」などを書き残すことで、学びのふり返りになります。毎日つづけることで、自分の成長も感じやすくなります。
● 仲間を見つける
独学でも、一緒にがんばる仲間がいると気持ちが楽になります。SNSやコミュニティ、勉強会に参加することで、情報交換もできて学びのスピードも上がります。
もし挫折しそうになったら…やり直すためのヒント
プログラミングの学習は、正直に言って簡単ではありません。途中でつまずいてしまったり、「もう無理だ…」と感じることもあるでしょう。
そんなときは、無理に続けようとせず、いったん休むことも大切です。
気持ちが落ち着いたら、次のようにしてみてください。
● 以前より簡単な教材に戻ってみる
レベルが高い教材にとりくんで、理解できずに落ち込むことはよくあります。そんなときは、少し前に戻って「やさしめの教材」を使うと、再スタートがしやすくなります。
● 成果が見えるものを作ってみる
たとえば、誕生日カードのWebページや、自分だけの家計簿アプリなど、「役に立つもの」を作ると、やる気が出ます。ちょっとでも動いたり、見た目が変わったりすると、それだけで達成感があります。
● プロのコードを読む
書くだけでなく「読む」ことも勉強になります。上手な人のコードを見て、「こんな書き方があるんだ!」と気づくことが多いです。ネット上で公開されているプロジェクトを見てみましょう。
独学に向いている人、向いていない人
どんな勉強方法にも、向き不向きがあります。ここでは、独学に向いているタイプと、そうでないタイプを比べてみます。
◎ 向いている人
- ひとりでもコツコツ続けられる
- 分からないことを自分で調べるのが好き
- 自分のペースで進めたい
- お金をなるべくかけたくない
△ 向いていない人
- 分からないとすぐあきらめてしまう
- すぐに誰かに教えてもらいたい
- 自分でスケジュールを立てられない
- 一人ではやる気が出ない
ただし、向いていないからダメということではありません。自分に合わないと感じたら、スクールやメンターをうまく活用すればいいのです。
独学とスクールのちがいをまとめてみよう
ここまでで、独学の良さや方法についてくわしくご紹介してきました。ですが、スクールにもメリットがあるのは事実です。どちらが合っているかを見きわめるために、ちがいをまとめてみましょう。
| 項目 | 独学 | スクール |
|---|---|---|
| 費用 | 安い(無料〜数千円) | 高い(数万円〜) |
| 学習ペース | 自由 | カリキュラムに合わせる |
| わからない時 | 自分で調べる | すぐに質問できる |
| 就職サポート | ほぼない | 手厚い支援がある |
| モチベーション維持 | 自分しだい | 仲間と支え合える |
どちらが良いかは、人それぞれです。大事なのは「続けられるかどうか」です。
まとめ:独学でも、あなたならできる
未経験からITエンジニアを目指すことは、決して簡単ではありません。でも、独学でもしっかり学べば、プロのエンジニアになることはじゅうぶん可能です。
独学には、費用がかからない、自由に学べる、自分の力が育つなど、多くの魅力があります。そして何より、最後までやりきったときの達成感は、他では得られないものです。
「難しそう」「むいていないかも」と思っている方も、まずは1日5分からでも始めてみてください。最初の一歩をふみ出すことで、世界は大きく変わります。
あなたの未来は、あなたの手でつくることができます。





